何て答える?
むし歯はいろんな原因が重なったときにできる病気です。甘いものを食べただけで、すぐに穴があくわけではないのでご安心ください
むし歯は、下記の図のように「細菌」「食生活」「宿主」の因子が長時間重なったときに起こる多因子性疾患。「甘いものを食べたからといって、すぐに発症するわけではない」と伝えると、患者さんに安心してもらえます。
また、それぞれの因子に合った予防法も紹介してみましょう。どこかの円を小さくすることで、3つの因子が重なるのを防げます。
例1.細菌因子へのアプローチ
お口の中にはたくさんの細菌がいて、酸を出したり、バイオフィルムをつくったりと活動しています。この活動が活発になりすぎないよう、定期的に細菌を取り除くことが大切です
■具体的なアイデア
・毎日のセルフケアにワンタフトブラシやフロスを取り入れる
・歯科医院でクリーニングを受ける頻度を増やす
例2.食生活因子へのアプローチ
まず、甘いものは食べても大丈夫! ただ糖分を含むものを食べると、それを餌にお口の中の細菌が酸を出します。この時間が長いと歯の表面が少しずつ溶けていくので、食べ方を工夫していきましょう
■具体的なアイデア
・甘いものはまとめて食べる(食べる量ではなく頻度を減らす)
・細菌の餌にならないもの(キシリトールなど)を食べる
例3.宿主因子へのアプローチ
唾液には「溶けた歯を元に戻す力」や「お口の中の酸性から中性に戻す力」があります。つまり唾液量を増やすことも、むし歯の予防になるんです! 他にも歯を強くするアイテムを取り入れるという手もありますよ
■具体的なアイデア
・硬いものを食べる
・ガムを噛む
・セルフケアにフッ化物を取り入れる
・歯みがき剤をハイドロキシアパタイト入りのものに変える