• DHインタビュー

プレゼントを渡すような気持ちで、口の健康に関する情報を伝えています

谷川悦子さん あやデンタルクリニック(福岡県)

大切なのは口の中だけではなく、患者さん自身を見ること――。
そう話してくれたのは、あやデンタルクリニックの谷川悦子さんです。この考え方を徹底するための重要な要素が、コミュニケーションだと言います。普段から心がけていることや患者さんとどんな関わり方を意識しているのか、詳しく話をうかがいました。

〝今の口の状態〟について患者さんと共通認識を持つ

当院に来てくださった方には、ためになる知識だったり何かプラスになるものを持ち帰ってもらいたいと思っています。だから、プレゼントを渡すような気持ちであれこれ伝えているんです。その1つとしてハイドロキシアパタイト製品を紹介する機会が多いのですが、ただ提案するだけでは患者さんに受け入れてもらえません。

ときどき来院目的と口の中の状態が一致していない方っていますよね。たとえばクリーニングしてほしいと言っているけれど、「それどころじゃないですよ!」みたいな。

この場合はただ先方が自分の口腔内のことをわかっていないだけなので、状況を正しく伝えます。「今のあなたの口はこうですよ。だから○○が必要なんです」って。現状をハッキリさせれば患者さん自身どんなケアが必要なのかわかりますし、こちらの提案も受け入れてもらいやすくなるんです。

患者さんの背景を知ったうえで〝伝える〟を徹底

歯を守る取り組みの主役は患者さん。私たちはあくまでも伴走者だと考えています。ただ患者さんのモチベーションには波がありますよね。みなさん提案直後は頑張ってくれるけど、1ヶ月半ぐらい経った頃、何かをきっかけにやめてしまったり前のケアに戻ってしまう。そして次の来院日が近づくと、慌ててまたやり始める(苦笑)。

私たちですら「今日は面倒だな」と思うときがありますから、誰しも少しサボってしまうのはわかります。ただ口の中の状態がちょっと間が空いても大丈夫な人と、それ以上放っておくとまずいよという人がいるので、何がきっかけでやめたのか、反対にまた頑張ろうと思ったのはなぜなのか、その人の気持ちを聞くようにしているんです。

あとは趣味を聞いたり近況を尋ねたりもします。口腔内に大きな問題がない人だったらメインテナンスで割り当てられている1時間のうち、半分くらい会話に費やすことも。一見口とは全然関係ない他愛もない話ですけど、何事も生活の延長線上にあるものだから最後は絶対口のケアの話につながるんです。これが患者さんそれぞれの内面や事情を知ったうえでの提案になるので、患者さんも耳を傾けてくれますね。

いつまでも元気に通い続けてもらうために

こうした関わり方をしているのは私だけではありません。ほかの歯科衛生士もみんな楽しそうに患者さんと会話をしています。大きく影響しているのは、「患者さんに『ここに来てよかった』と思ってもらえるようにしたい」という院長の考えではないでしょうか。だから、ときには口の中のこと以外でもアドバイスする場合があるんですよ。

たとえば先日ある患者さんと話をしていて、食生活がすごく乱れていることがわかりました。このままでは絶対に体を悪くしてしまうと思い、「まず野菜から食べて、糖類は最後にしましょう」と伝えたんです。後ろで偶然聞いていた院長と受付担当には「お母さんみたい」と爆笑されましたけど、悪い生活習慣を見過ごすことができなくて。なんでもいいから患者さんの生活がよい方向に向かっていくといいなと、常に思っています。

こんなふうにこれからも患者さん一人ひとりと向き合いながら、末永くサポートしていきたいですね。100歳で元気にもりもりお肉を食べる方のように、みなさん長寿で健康に過ごしてもらえたらと思います!

お気に入りのセルフケアアイテム

洗口液の「プラクリア」。
口に入れるだけで、ある程度口腔内の環境を整えてくれるのは本当にありがたいです!

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