• DHインタビュー

歯ブラシ1本ではキレイにできない! 本当に患者さんのためになる提案を

福岡絵美さん ライオン歯科クリニック(東京都)

「患者さんが少しでも楽にケアできて、ちゃんと歯が守れるような情報を伝えていきたい」。そう話してくれたのは、ライオン歯科クリニックにお勤めの福岡絵美さん。数年前にリスク部位の考えを知ってからは、ワンタフトブラシの提案に力を入れています。その理由や、患者さんに起こった変化をうかがいました。

“とにかく磨く”では歯が守れない

リスク部位について知ったのは、数年前。TBIのセミナーを受けたのがきっかけでした。

「口腔内にはむし歯と歯周病になりやすい部位がある。歯を守るにはこうした部位を重点的にケアするのが大切」
「リスクが低い部位を必要以上にケアするのはナンセンスである」

そう聞いて、ハッとしました。思い返すと、歯に楔状欠損ができていたり、歯ぐきが下がっている患者さんはたくさんいます。これってリスクが低い部位までゴシゴシ磨いて、歯と歯ぐきを傷つけていたということですよね。“とにかく磨く”という考えでは、歯は守れない。むし歯や歯周病になりやすい部位こそ、重点的にケアする必要があるとストンと理解できたんです。

それからは、TBIのやり方をガラッと変えました。染め出しをして、口腔内写真を撮って、だ液検査をして。むし歯や歯周病になりやすい部位はどこか、しっかり調べて患者さんに共有するようにしています。

歯と歯ぐきを傷つけずにケアできる!

リスク部位の考えが入ってからは、提案するアイテムも変わりました。

今までは歯ブラシ1本で全部の歯を磨いてもらっていたのですが、そうするとリスクがないところにばかり毛先が当たってしまうんですよね。危険な部位の細菌はそのまま、健康な歯はどんどん削れていく。これではダメだと思って、「歯ブラシで全部磨く」という考えは捨てることにしました。

そこで今提案しているのが、ワンタフトブラシです。これなら当てたいところにピンポイントに届くし、それ以外の歯と歯ぐきを傷つけない。すごくいいアイテムなんですよ!

だ液検査の後、患者さんにワンタフトブラシを試してもらうとみなさんビックリされます。「あ、ツルっとした!」「本当にキレイになりますね」って。リスクが高い部位は、たいてい磨くのが難しい部位なので、自分の手でキレイにできたことに驚かれるみたいです。使い続けるとプラークが減ったり出血が減ったり。口腔内にしっかり変化が起こるので患者さんのやる気にもつながっています。

こうして私が提案したことによっていい結果が出て、さらに患者さんに喜ばれるとすごくうれしいですね。

患者さんとしっかり向き合えるように

実はこの仕事に就いたばかりの頃は、そこまでやる気を持っていませんでした。就職をきっかけに上京したのですが、働くというよりも「東京で遊ぶぞ」という感覚(笑)。来た患者さんをただバンバンこなすだけの時期もあったんです。

でも、そういう生活を続けるなかでふと「なんか違うな」と思ったんですよね。私は人と関わるのが好きでこの仕事に就いたはずなのに、こんな働き方でいいんだっけ? って。次第に「もっとじっくり患者さんと向き合いたい」と思うようになったんです。

そこから働き方を変えて、セミナーや勉強会に積極的に参加するようになって。今は患者さんとしっかり向き合って、ためになる提案ができている実感があります。それで毎日すごく楽しい! ただのお掃除お姉さんで終わらず、働き方を変えることができて本当によかったです。

これからもいいなと思った考えやアイテムはどんどん取り入れて、患者さんの健康を支える歯科衛生士でいれるよう頑張ります。

仕事で疲れたときのリラックス方法

ランニングからの温泉や、ヨガなどで体を動かしてリフレッシュすることです。

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