3列ブラシが届かない場所がある
セルフケアの目的は、細菌を取り除くこと。むし歯も歯周病も細菌感染症なので、歯を守っていくには毎日のケアで細菌を取り除くことがとても重要です。
しかし3列ブラシで一生懸命磨いても、キレイにしきれない部位があります。それは、歯と歯の間や歯ぐきの境目など。患者さんの口腔内を診ていて、「ここに汚れが残っているな」と思うことも多いのではないでしょうか。
たとえPCRが低くても、こうした部位に細菌が残り続けると、そこからむし歯や歯周病が発生・進行する可能性があるので油断できません。
むしろ大切なのは、「細菌がたまりやすく、むし歯や歯周病になるリスクが高い部位」こそ優先的にケアすること! PCRではなく、リスク部位がケアできているかどうかに注目しましょう。
そして、ここをケアするのにぴったりのなのがワンタフトブラシです。
ワンタフトブラシの基本的な使い方
ワンタフトブラシは、毛束が1つ(ワンタフト)の歯ブラシ。3列ブラシよりもヘッドが小さく、細かいところにもピタッと当たるのが特徴です。
1. 指3、4本でやさしく持つ
基本は細かく動かすことができるペングリップ。磨く場所によってはパームグリップでもOK。
2. 歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目などに毛先をそっと当てる
3. その場で毛先を細かくクルクルと動かす
細かくクルクル動かすと毛先に振動がおき、粉砕されたプラークが毛と毛の細かな隙間を通って毛束の奥へと上がってきます。植物が根から水分を吸い上げる「毛細管現象」と同じような原理です。
動かし方によって、細菌の取れ具合が変わってきます。患者さんと練習するときは「細かく」「クルクル」動かすことを必ずお伝えください。
- セルフケアの目的は、細菌を取り除くこと
- 3列ブラシが届かない部位こそ、優先的にケアする必要がある
- ワンタフトブラシの使い方、ポイントは「細かく」「クルクル」動かすこと